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GRAPHIC TRIAL 2010
仲野昌晴 Nakano Masaharu 仲野昌晴 Nakano Masaharu
アートディレクター
1976年神奈川県生まれ。東京藝術大学美術学部工芸学科漆芸専攻卒業、東京藝術大学大学院美術学部修士課程修了。CM制作に携わった後、フリーランスを経て、2004年より凸版印刷株式会社勤務。トッパンアイデアセンタープロモーション本部所属。企業の商品キャンペーン企画を主体に、ポスター、パッケージ、販促物などビジュアル関連のクリエイティブディレクションを手がける。


本物より本物らしい究極のフェイクを

 主催者である凸版印刷から、アートディレクターの仲野昌晴がトライアルに参加。日頃、飲料系の広告を担当し、液体やグラスなどを用いた印刷物で、どれだけシズル感を出せるかを追求している仲野が選んだテーマは「究極のフェイク」。モチーフに選んだのは「パン」「肉」「魚」「髪」「葉」です。日頃見慣れているものをモチーフとし、理解しやすい反面ごまかしを効かなくすることでリアルさをとことん追求しています。
 表現方法では印刷と紙の扱いを逆にしています。通常なら4色で色も質感も表すところを、質感と色を紙に求め、印刷は明度の違いを出すために使用しています。また、若干の挿し色以外の色の表現を抑制しました。簡単に言えば、明暗の情報を印刷で入れるというシンプルな組み立てですが、明暗だから「白」と「暗色」があればいいわけではなく、紙色との掛け合わせで最適な色が使用されています。また用紙は、実際に触った時にそのモチーフを連想させる質感を求めて選択されました。

1st trial : 紙地を生かした質感表現
2st trial : 葉のディティールをつくりこむ
3st trial : 紙地と陰影で五つの質感を表現する

 ディティールの再現性を高めるには、通常、今回のトライアルで使用したような特殊な用紙は適していません。しかし、印刷との掛け合わせにより生まれた想定外の要素がその“通常”を超え、「印刷」と「紙」の関係性が最も明確に見えたトライアルでした。







仲野昌晴のトライアル作品
【1】仲野昌晴のトライアル作品。


「葉のざらつき」を表現した作品
【2】「葉のざらつき」を表現した作品。




「肉の生々しさ」を表現した作品
【3】「肉の生々しさ」を表現した作品。

「髪の艶やかさ」を表現した作品
【4】「髪の艶やかさ」を表現した作品。

「魚の輝き」を表現した作品。
【5】「魚の輝き」を表現した作品。


キャプション
【6】「パンのふわふわ」を表現した作品。

紙地を生かして葉を表現。4種類の用紙に「オペークホワイト系2種または銀の中のいずれか」→「特色緑1」→「特色緑2」を刷り、その差を確認。
【7】紙地を生かして葉を表現。4種類の用紙に「オペークホワイト系2種または銀の中のいずれか」→「特色緑1」→「特色緑2」を刷り、その差を確認。

用紙はあえて実物の色にこだわらずに「もっとも葉らしくなりそうなもの」を選択。
【8】用紙はあえて実物の色にこだわらずに「もっとも葉らしくなりそうなもの」を選択。


葉がない背景部分は、ライト部用インキと同じものをベタで刷り、紙地を隠蔽した。
【9】葉がない背景部分は、ライト部用インキと同じものをベタで刷り、紙地を隠蔽した。

ディティールを作りこむため、ライト部は3種類のホワイト版を作成。シャドウ部は前回と同様に2版、特色緑を用紙の色味にあわせて調整した。
【10】ディティールを作りこむため、ライト部は3種類のホワイト版を作成。シャドウ部は前回と同様に2版、特色緑を用紙の色味にあわせて調整した。

用紙は、葉の質感と色に近いものに絞り込んだ。ざらっとした質感の明るい緑の「ニューウェブロンカラー/緑」と、やわらかな風合いで濃緑色の「GAボード/ダークグリーン」の2種を選択。
【11】用紙は、葉の質感と色に近いものに絞り込んだ。ざらっとした質感の明るい緑の「ニューウェブロンカラー/緑」と、やわらかな風合いで濃緑色の「GAボード/ダークグリーン」の2種を選択。


「魚の輝き」の表現では、「クニメタル/グリーンシルバー」と「エルマーメイド/ゴールドシアン」の2種の用紙で比較。
【12】「魚の輝き」の表現では、「クニメタル/グリーンシルバー」と「エルマーメイド/ゴールドシアン」の2種の用紙で比較。

「肉の生々しさ」は、「オペークホワイト(3版)」→「特色赤」→「グロスメジウム」で表現。グロスメジウムにより脂のギラギラした質感が出ている。
【13】「肉の生々しさ」は、「オペークホワイト(3版)」→「特色赤」→「グロスメジウム」で表現。グロスメジウムにより脂のギラギラした質感が出ている。

「髪の艶やかさ」には、特色のオレンジが使用されている。
【14】「髪の艶やかさ」には、特色のオレンジが使用されている。


「パンのふわふわ」に使用された用紙「GAコットン」。見る角度によって不思議な立体感が生まれている。
【15】「パンのふわふわ」に使用された用紙「GAコットン」。見る角度によって不思議な立体感が生まれている。

「魚の輝き」は、「オペークホワイト(2版)」→「特色青1」→「特色青2」→「グロスメジウム」で表現。魚の生臭さまでも連想させるようなリアルな再現。
【16】「魚の輝き」は、「オペークホワイト(2版)」→「特色青1」→「特色青2」→「グロスメジウム」で表現。魚の生臭さまでも連想させるようなリアルな再現。

GRAPHIC TRIAL 2010
開催日   2010年4月23日(金)〜7月19日(月・祝日)
会場 印刷博物館 P&P ギャラリー
主催 凸版印刷株式会社 印刷博物館


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