
秋田 : 僕は今回の話を頂いて、迷わず「網点」で何かをやりたいと思いました。大学でグラフィックデザインの専攻に入って印刷というものを身近に知り、写真は「網点」で構成されているんだということを知りました。18歳のその時からずっと、僕は「網点」に魅せられています。
「網点」が好きなので何でもできるだろうと思っていたのですが、やればやるほど「網点」の奥の深さを感じ、益々魅力が増しました。
通常、印刷は4色のインキを重ねあわせる「減法混色」という方法で色を作っているわけです。例えば、イエローとシアンが重なってグリーンが出来るとか。
しかし、今回のトライアルの5つの内の1つは、「加法混色」という光の三原色で作っていく方法を試みました。
尾河 : 私たちプリンティングディレクター(以下PD)の普段の仕事は、写真を4色でいかに正確に再現できるかを追求します。今回ビジュアルに使用したキャンベルスープのモチーフであれば、缶の立体感を出すことや、いかに色調を近づけられるかということが腕の見せ所となるわけです。
デジタルカメラで撮られたキャンベルスープを4版に分解する、ここまでは通常の作業と一緒なんですね。それからミクロの世界に入り込んで「網点」を大きくしたり、伸ばしてみようということで、一体PDとして何をするべきかを非常に考えました。
製版の段階で、写真として分解するときの攻めかたも重要かなあと。たとえばモノクロ4色でやってみたらどうかという提案をしました。通常モノクロの製版では、必要のない色浮きが出るのは良くない状態です。そこを逆手にとって、引き伸ばした長い網点の状態で、モノクロ4色のずれでの色の出方を見るのも面白いかなと。
あるいは「線数」や、「網の角度」など、非常にベーシックな要素に注目していくこと。そういったプリミティブな印刷の要素の変化が「変わったこと」をやる為には必要です。そういった部分をサポートさせて頂きました。 |
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