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東京・六本木のAXISでは、著名デザイナーを講師に迎え、デザインに関するテーマを共に考え、語り合うAXIS Forumを開催しています。第2回AXIS Forumは、インテンショナリーズの鄭秀和氏です。(2000年2月29日)

CLEAR.GIF ── 若手デザイナーの旗手ともいえるインテンショナリーズの鄭秀和氏。セミナーはナビゲーターとして、デザインプロデューサーの立川裕大氏を迎えて進められました。会場のアクシスギャラリー には若い世代が目立ちます。

■インテンショナリーズのなりたち■ ──────
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text1.gif 蔵野美術大学在学中に、仲間と飲み屋で話していた雑談がキッカケとなり、卒業後にインテンショナリーズをスタートした。これから建築をマスターするには、最低でも10年はかかる。それを、3人で行うことで、3年でやろうというのがきっかけだ。遠藤治郎と大堀伸と自分でインテンショナリーズをスタートした。3年を経て第1期が終わり、自分がインテンショナリーズを引き継いで、現在2期目に入っている。
インテンショナリーズは「確信してモノを創る」という意味の造語。良いモノをつくる事はもちろんだが、設計事務所のあり方もデザインしたいと思っている。


── 設立時には、「Definition of Intentionallies」という宣言を発表しています。*1

■インテンショナリーズ宣言について■ ──────
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text2.gif 成の枠は、自分にとってなんの足枷にもならない、と考えており、今でも基本的な姿勢は変わっていない。そのためか、建築・デザインの世界で「インテンショナリーズは異端でパンク」という立場でとらえられがちだが、特にそういう方向を目指しているわけではない。
プロジェクトにとって何が一番重要かを見極め、自由な考え方で進める。「インテンショナリーズはこういう作風」という固定化されたスタイルにはしたくない。ミュージシャンを知らなくても、レーベルで音楽のクオリティがイメージできるように、インテンショナリーズという「レーベル」で、クオリティが高く、多彩なデザインを作っていきたい。

事務所には、CGクリエーターにより制作されたインテンショナリーズのポスターが掲げられています。「これを見て、ただの建築事務所では無いと思った」と立川氏は振り返ります。


── インテンショナリーズの仕事では、多くの物件で鄭氏が「ポンチ絵」と呼ぶスケッチが付けられています。

■空間の表現■ ──────
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text3.gif ライアントに「完成予想図はないのか」と聞かれる事がある。「ない」と答えるようにしている。空間は予想図で表現できるものではない。自分が考える空間の意味を、もっとも的確に表現できる手段として、自分で描いたポンチ絵で説明している。
CGで完成予想図を作る方法は、好きではない。CGはそれだけで作品として完結するものを目指すべきで、現実との近似値をCGに求める事は、無理がある。実際の空間は、CGでは表現しきれない「凄み」を持っている。


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鄭秀和 (ていしゅうわ)
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1968年生まれ。建築家。武蔵野美術大学大学院造形研究科建築コース修了。95年、建築を通したモノづくりを実践する「レーベル」として、インテンショナリーズを共同で立ち上げる。現在、(有)インテンショナリーズ代表。他業種とのコラボレーションをはじめ、建築の枠にとらわれない活動を積極的に進めている。代表的なプロジェクトにダイニング・バー「花見季」、クラブ「Apollo」、インテリアショップ「エクリュ・ヴィーナスフォート店」、「竹デリア(照明器具)」などがある。
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ナピゲーター
立川裕大 (たちかわゆうだい)
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1965年生まれ。デザインプロデューサー。カッシーナジャパン、ギヤコレクション、アイオーなどのインテリアショップを経て、現在、家具・プロタクトのプロデュースに携わる。代表的なプロジェクトに宮崎県都城地域活性化事業に伴う家具開発、家具ショップ「SUKENO」などがある。また、インテリア誌での執筆、「クリエイターズファイル for livingJ(ギヤップ出版刊)の監修も手がける。
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インテンショナリーズのポスター

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鄭氏による「ポンチ絵」

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CLEAR.GIF ── 実際の作品を説明しながら、話を続けます。

■プレゼンテーションのデザイン■ ──────
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text4.gif レゼンテーション前に企画書を作り、ストーリーを用意しても、本番はクライアントからの質疑で中断し、意図どおりには進まない。そこでPCを使ってプレゼンし、クライアントからの意見にその場で対応しながら進めた事がある。「リアルタイムのプレゼンテーション」として、最終的にはプレゼンテーションの模様を録画し、VTRを成果品として提出した。質疑・回答などのコミュニケーションそのもののプレゼンテーションを目指した。

インターネットでのプレゼンを試みたこともある。クライアントのトップにプレゼンしても、全国の支店までその内容が知れわたるには時間がかかる。全社員がその内容を見る機会は皆無に等しい。インターネット上にプレゼン内容を公開することによって、全ての関係者に提案を見てもらう事が可能になる。インターネットを利用したプレゼンの意図は、我々も真剣に提案するので、ジャッジする側も真剣でいてもらいたい、ということ。結果としてそのプランは採用されたが、現場の意見が反映されて我々のプランが評価されたのなら、大変嬉しく思う。

「セミナーの講師は不慣れで……」と言う鄭氏でしたが、旬のトップデザイナーならではの話による興味深いセミナーとなりました。



*1  以下は、設立時に発表された「インテンショナリーズ宣言」

Definition of Intentionallies

明らかに言えることは、風景から[現在の確信]を見極めることであり、その瞬間、意識の中心に身を置くことに間違いないという事・・・・1995・秋 建築を通したモノづくりを確信して実践するために創られた建築のレーベル。レンジとデプスを追い求め、断面を試行し、そして異なるものを受け入れ、突き抜けること。家具から超高層建築まで、既成の枠などなし。

Intentionallies 《しばしば ITL》

1 見たことのないモノを形容する語
2 時に「スムースな前衛」「現在的空気」「変わり続ける年在」などと訳されてもいる
3 特にスラングで「確信してモノを創る」という意味

我々が主宰しているインテンショナリーズは、建築を通したモノづくりを確信して実践する為の、「レーベル」です。プロジェクトごとにどの様にしてそれに取り組むべきなのか、という基本的な問いかけを常に持ち続け、その瞬間ごとに最良な方法を探っていこうと考えています。それ故、ジャンルを横断したり常に形態を変え続けたりする事を特別な事のようには感じていません。むしろ、見たことのないものを見続け、領域を揺らしそして断面を試行し、それを実らせて行く為の、自らを変豹させるソフトウェアであると冷静に捉えています。


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