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渡辺 豪
WATANABE Go


[ 略歴 ]
1975   兵庫県に生まれる
2000   愛知県立芸術大学美術学部油画科卒業
2002   愛知県立芸術大学美術研究科油画専攻修了

[ 個展 ]
1999
  「彼女の存在は ただ…」 art space dot、愛知
2004
  「渡辺豪展」 muzz program space、京都
2007
  「境面」 ARATANIURANO、東京


[ グループ展 ]
1997
  「ROLLING LIBRARY」 緑図書館、愛知
1999
  「cosmic flavor」 art space dot、愛知
2002
  「絶対矛盾的自己同一(ar/mori/es show2)」モリ ユウ ギャラリー、京都
2005
  「シークレットガールズ up and down」ASK?、東京
「very very human」豊田市美術館、愛知
2006
  「Dual Realities The 4th Seoul International Media Art Biennale」 Seoul art of museum、ソウル、韓国
2007
  「美麗新世界:当代日本視覚文化」大山子芸術区「798」内、北京/広東美術館、広州
「Have You Eaten Yet ? - 2007 Asian Art Biennial」国立台湾美術館、台中、台湾

[ その他 ]
1999年2月、13名のメンバーとともに「art space dot」を愛知県西春日井郡に立ち上げる。
2003年1月から同年3月末まで愛知県豊田市の豊田市美術館館内に作品「フェイス」を展示。

「フェイス」
2002

「フェイス
(‘ポートレート’) -1」

2005

「フェイス
(‘ポートレート’) -8」

2006

「フェイス
(‘ポートレート’) -13」

2006

incubation07
「片岡健二 - 渡辺豪」展
展示風景

2007

「Have You Eaten Yet ?
- 2007 Asian Art Biennial」展
展示風景

2007

「melt」
2007

「landscape」
2006-2007
画像上の人工生命

渡辺豪の近作のポートレートには、強い印象を与えられた。「3Dライトウェーブ」というソフトを使って、コンピュータ内の骨格の上に肌や髪を貼り付けていくことで制作されていて、ひとりの人間の顔がとてもリアルな質感を持って形作られている。ライトボックスで発光するように展示され、その正面性もあいまって、観る者に強烈に作用するのである。作者によればなるべく個性や人種の差を消すように作られており、また人間の皮膚の表面性が強調されている。いわば画像上につくられた人工生命というイメージなのだが、リアルな質感と正面から見つめる眼差しには、妙に生々しい感触がある。個性のない未来人という印象とその生々しさが合体して、現実を超越した現実感、まさに「ヴァーチュアル」な「リアリティ」がそこに現出しているのである。
人工的なイメージにかかわらず、それに正面から見つめられているということは、鑑賞者に或る情緒的(感情的)反応を呼び覚ます。だからまずこうした作品は、観る側の私たちの心のありようを意識させる。と同時に、画像のなかの人間の、特にその印象的な眼への関心を通じて、私たちはこのイメージされた人間の知覚に関する想像をふくらませる。ここには、人間と人工生命との、あるいは情報/知覚体としての人間と、情報の集積によって形成された人間のイメージとの、「インターフェース」があるのだ。これらの作品は、まず視覚的な美しさ、驚異、情緒面での圧倒的な反応を引き起こすとともに、感情的なレベルから認知科学のレベルまで、あるいは人種や性といった社会的なレベルも含め、さまざまなテーマ性を孕んでいることで、広い多義性を持ったアートであるともいえるだろう。
渡辺の作品には、他にも、人工衛星の探査のようにヴァーチャルな皮膚を精査していく動画や、人間の全身の皮膚が中身を欠いた状態で崩折れるのをシミュレーションした動画なども含まれる。今日の人間の概念、あるいは人間とメディアの関係性を問いただす、意欲的な作品群であると思う。
〜 倉林 靖/美術評論家