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 ウェブスカイドア 現代篇
 



村林 基
MURABAYASHI Motoi


[ 略歴 ]
1974   神奈川県生まれ
1998   東京造形大学 造形学部絵画専攻卒業
1999   東京造形大学 研究生修了

[ 個展 ]
2000
  GALLERY ES(東京)
2003
  warehouse art project(東京)
2004
  switch point(東京)
2006
  ギャラリーマキ(東京)

[ 最近のグループ展 ]
2005
  The shop(旧GINZA men's wear / 東京)
2006
  basis(ギャラリーぱれっと / 東京)
基準の技術(kabegiwa / 東京)
2007
  壁ぎわ(kabegiwa / 東京)
現代アーティストたちによる Le Monde de Coco ココの世界(シャネル・ネクサス・ホール / 東京)


ギャラリーマキ展示風景
2006

tree
2006

debris
2006

a maze
2006

forecast
2005

pitch
2003

pitch
2002

ping pong
2002
「サッカーコート」というイデア

「唯脳論」的考え方、というわけでもないが、視覚の働きというものも煎じ詰めてみれば、脳内における空間把握、座標の捉え方、マッピングの問題だと考えられないわけではない。だから絵画の可能性、展開の仕方を、そうした座標系の感覚と結びつけて考えようとする動向が生まれても、おおいに納得できるわけである。村林基がこれまで描いてきている作品のもっとも典型的なモティーフは、サッカーコートやテニスコート、卓球の球やバスケットのゴールなどであり、ときには樹木など自然物が登場したりもするが、それらのイメージは現実のものの相関物であるというよりは、はるかに概念的操作の産物という性格のほうが勝っている。
たとえばサッカーコートは、現実の「風景」を写したものでは決してなく、ルールブックに載っている数値をもとに描かれるという。ならばこれらのイメージは、「サッカーコート」という「抽象概念」を描いたものである、ということになり、いわば、すぐれてイデア的な営為だ、ということになる。サッカーコートはさらに座標軸を通じた変形が行われたり、ときに折り畳まれたり立体的に重ね合わされたりすることもある。ひじょうにヴァーチュアルな展開がなされている、といえよう。
ならば村林の絵画がコンピュータの画面内のCG、ヴァーチュアル・リアリティと同じようなものかといえば、決してそんなことはない。絵画の制作方法としてもマスキングという機械的な手順がとられているらしいが、しかしそれにしても、いわゆる脳内イメージがこうしてキャンバスと絵具によって外化・物質化され、絵画という「もの」になり、ある空間を占めて私たちの経験の前にさらされるとき、それらはある実質的な、現実的な重みをもつなにものかに変貌する。村林の絵画のユニークさは、「抽象概念」が「物質」化されるときの、その両者が相互に照らし出されるありようの不思議さにあり、そしてそのユニークさが、スポーツにかかわるイメージという、現代的で軽やかな性格と結びついていることが、彼の作品の主要な魅力となっている、といえるだろう。
〜 倉林 靖/美術評論家


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