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象山隆利
KATAYAMA takatoshi
撮影:内田亮太


[ 略歴 ]
1964   静岡県沼津市に生まれる
1989   東京藝術大学美術学部卒業 彫刻科
1990   あけまし展 東京藝大内ギャラリー
1991   東京藝術大学美術学部大学院美術研究科修了 彫刻科
山海塾舞踏手「緒方篤」ソロ公演美術担当 東京
1992   KOBO展 ディープラッツ(Die Pratze) 東京
1992-94   劇団「電気曲馬団」の全ての活動に参加、舞台美術を手がける
1994   ギャラリーホワイトアート 東京
1997   沼津市立静浦中学校開校50周年記念モニュメント制作 静岡
1998   モリスギャラリー 東京 (3月・10月)
みょうてい画廊 静岡
1999   モリスギャラリー 東京
2000   現代の陶彫ー日本とアメリカ ギャラリーせいほう 東京
現代日本陶彫展特別賞受賞マケット展 セラトピア土岐 岐阜
朝日陶芸展入選
2001   淡路町画廊 東京
2002   周豪+象山隆利2人展 巷房 東京
2003   ギャルリー・ワッツ 東京
周豪+象山隆利2人展 巷房 東京
2004   ミューザ川崎シンフォニーホールに作品13点設置 神奈川
現代日本陶彫展特別賞受賞マケット展 セラトピア土岐 岐阜
2005   ギャルリー・ワッツ 東京
安房・平和のための美術展 アートスペース風 千葉
2006   Space Kobo & Tomo・階段下 東京
2007   韓国科学技術院(KAIST)にモニュメント[Swinging Birds]設置 韓国
2008   巷房地下 東京

  象山隆利ホームページ   http://katayama-t.com/


FOREST
1998

marebito
1998

landscape
1999

月夜のために
2001

君が考えることは人類が考えるということ
2003

個展風景
2006

Swinging Birds
2007

2008010
2008
呼吸する「かたち」

象山隆利の作品は、近年は陶(セラミック)のものが多いが、これまで木、金属など素材は多岐にわたっている。最近は韓国科学技術院に招かれて「Swinging Birds」という、高所に置かれた1対の抽象的な鳥の形状の立体が、風で動く仕組みになっている作品を制作した。同じような形状で、アルミニウムの細長い立体が、観客が触れると微かに動くようになっている作品も、銀座での個展で発表している。この形状のルーツは、彼の故郷の静岡の海岸で、子供のときから、セスナ機に引かれて飛ぶグライダーを眺めていた記憶によるのだという。また、彼の作品のモティーフによく登場する、細長い建築物のような形態も、そのときの海岸の桟橋のかたちがもとになっているようだ。
空への憧れ、流動する空気への関心、あるいは舟や水といったモティーフ、外界に向けて呼吸する建築のかたちへのこだわり、さらには、何の既成のかたちにも還元できない個的なかたちをもった立体へのこだわり。どれにも、制作のなかで「自由」を希求する作家の姿勢をみてとることができる。いっぽうでは彼は、多くの記憶や経験や既成概念から自由になってものをみること、に憧れる、といっており、また他方では、自分が自在に使用できすぎる素材には抵抗を覚え、自らの意志で制御できない素材感を獲得したい、ともいっている。そのために大学で勉強した彫刻から、陶の方向に移行したのだともいう。
冒頭に言及した抽象的な鳥のかたち、ということで私たちが思い出すのは、たとえばブランクーシだが、ブランクーシが究極的な「かたち」への還元を執拗に追及したとするなら、象山の場合は偶然性や、雰囲気、空気、風や水といった流動的でかたちにならない要素を作品に篭めようとしている、といえよう。それを西洋的と東洋的の姿勢の違い、といってしまうと、あるいは安易かもしれないが、象山の場合には、彼の幼少期の経験や、今も都会を離れて住んでいるというところに、自然との交感という、彼のもっと個別的な性向があらわれている、とみるべきかもしれない。一時期、舞台美術の仕事もこなしていたというところからも頷けるように、彼の作品展示は、空間全体を考えるところから個々の作品の「間合い」のとらせかたも重要なものになっている。これも彼の自然観のあらわれのひとつなのだろうか。象山の作品は大きいものも小さいものもどれも外界に向けて「呼吸」し息づいているように思えるのだが、その有機性は、個的な個性を超えて或る普遍に通じる要素を持つ、といえるだろう。
〜 倉林 靖/美術評論家


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